はんぶんの内側

隙間産業的おたく活動記録 長文用

ドリフェス短歌をよんでみたこと

ツイッターで呟いていた #ドリフェス短歌 を先日のCYYRで(中身が)真っ白な冊子にしたので、解説を書こうと思います。

無粋だしおたくの妄言なのですべての文の末尾に「という妄想です」「知らんけど」が付いていると思って読んでください。

 

奏くんのページの冒頭の短歌は諸事情で後回しにします。

  • 罪状は結構ありますあの朝にきみの素肌に触れたこととか
  • セロハンをぐちゃぐちゃにして煮出したやつで爪の先から染められてゆく、夏
  • 流星群に貫かれて夢みたいに朝焼けの色したあなた

1.奏くんの不思議な吸引力はまだアイドルと普通の男子高校生の境目にいるところ、アイドルの天才とただの男子高校生が違和感なく同居しているところ、朝のシーツの匂いも朝の通学路の匂いもリアルに想像できるところ、罪な男。

2.子供の頃、セロハンをぐちゃぐちゃにしてお湯につけると水に色が溶け出してカラフルな色水になるっていう遊びをよくしていました。何物でもなかった奏くんがアイドルになることによってメンバーカラーという、色が一つ決まるのってちょっと面白いなと思います。一般人ってメンカラとか無いじゃないですか。

3.これは奏くんの初ステージ、グローリーストーリーの短歌です。客席からステージに降り注ぐエールって流星群みたいだなあ、と。エールの流れ星のうちの一つに撃ち抜かれて少年はアイドルになる。ヴァンロの紫と奏君の赤い髪と琥珀の目は、ぜんぶ朝焼けの色だな、と思いました。

 

  • 強さとは奪われること悟られること此処にいることまえをむくこと

露骨に武道館の石原壮馬さんの短歌。DearDreamのセンターが強い男でよかった。

 

  • ハンカチにくるんだ手紙を忍ばせて「トロイメライは売り切れました」

シャッフルサクラレターのイメージ、慎様の横にはずっと子役時代の慎様が寄り添って立っていると思うんだけど、奏くんが現れるまでは子供の慎様が手を引いて前を歩いていたのが、いつのまにか並んで手を繋いで歩けるようになったんですよね。

 

  • からからとあおの欠片を飲みくだすあと2個あるので白湯をください

みぞたくって硝子の欠片みたいな私たちの思いも現実の辛さも、ビタミン剤でも飲むみたいな顔でしれっと飲んで、白湯を要求してきそうなところあるじゃないですか。

 

  • 細胞を溶かせば世界も越えられるきみが望むなら死んでもよかった
  • 最後まで此処にいて先に行かないで順番だって約束したじゃん

1.佐々木純哉くんの生きている世界で死にたいおたくの魂の叫び、兼、純哉くんって妙に献身的なところあるじゃないですか。

2.「ささきじゅんや」の文字を読み込んだやつ。佐々木純哉くんの生きている世界で死にたいおたくの魂の叫びその2、兼、純哉くんって時々迷子のこどもみたいなときあるじゃないですか。

 

  • 心配はしなくていいよあいつなら今も右上にちゃんといるから

とみーは沢山言葉にしてくれるわけじゃないけど、純哉くんのことをひとりの人間として生かしておいてくれる優しさがあるなぁという、あととみーと純哉くんの関係って重なるわけでも寄り添うわけでも隣にいるわけでもなくて、右斜め上にいます、みたいな感じじゃない?

 

  • 特別じゃないおれを特別にするためにばらばらにして全部食べてよ

いつきのアイドルとしての献身は、自己評価の低さに由来しているよなあという短歌。片桐いつきがスーパーハイスペックリア恋アイドルだっていうことに、本人だけが気付いていない。

 

  • 言葉なら何百回でも誓うから永遠はここにあるって言って

おじいちゃんになってもDearDreamでいたいって、言ってくれたから。まさきくんは約束を言葉にしてたくさんくれるけど、まさきくんのくれる約束は祈りに似てるよねというおたくの妄言。

 

  • 爪はあるし毛もはえてるからさむくないし大事にしてくれなくっていいよ

わたしはチヅのことを小さくて賢くて強い獣だと思っている節がある。うさぎさんじゃないからそんなにこわごわ優しく触れなくっても死んじゃったりしないよ大丈夫!

 

かおるくんからチヅへ、私たちからかおるくんへ。エールの四角い光をたくさん集めて固めたら、ギンガムチェックみたいな模様になるね。かおるくんは今もずっと心臓をチヅと半分ずつ共有してくれてて、嬉しくて、優しくて、好きだなあって思う。

 

三次元のWMの短歌は対になるように詠んでいます。

 

  • 飾り立てても眩しいのは緑の目行けどもいつも五時の夕焼け
  • 本当はずっと前から知っていた春の名前がきみであること
  • 花色の肌を溶かして凪の朝 目玉焼きを食べてから跳ぼう

1.「かざまけいご」の文字をよみこんだやつ。緑の目の怪物の意味での「緑の目」です。圭吾は7人のうちでいちばん愛情の深い人だと思っていて、だからこそこういう感情が背後で静かに牙を向いていることもわかっている。たぶんね。

2.圭吾のお誕生日に寄せて。かざまけいご、ってあまりにも美しい響きの名前、風が柔らかく香る季節の季語なんじゃないの?

3.意図せず純哉くんの短歌と対になってしまった……アシンメトリックモリー……身投げ的な意味で海に飛び込む姿が似合うあの容姿で、でもその前に朝ごはん食べてから!みたいなしぶとさがあるとこ、人間!って感じで好きです。

 

  • 宝物がポケットから溢れそうなので高値をつけてくれたらあげます

きみとくんはドリフェスと出会ってたくさんの大事な物を手に入れたっていうことを人生がひっくり返ったってことを、ちゃんと言葉にしてくれる人。そしてそれを惜しみなく私たちに見せてくれて分けてくれる人。ジオウにディエンド登場の発表があったのでどうしても宝物っていう言葉を使いたかった。

 

  • 材料は、スタンドマイク、薔薇の花、グラム百円の銀の弾丸

黒石勇人の材料を考えたよ!とっておきの切り札ですけどグラム百円って安いのか高いのかわかんねーな!?という話。

 

  • 爪先で立ったままでは跳べないと隣で笑うひとがいること

まえに株さんが他所の現場で偶然現れたきみとくんを相方です、って紹介して、役者なのに相方がいるって変な感じだね、って言っていたので。相方がいるということ。私は生粋のアイドルおたくなのでシンメがいるのは当たり前の認識で、そっちのほうが目から鱗だった。

 

圭吾の短歌(花色の〜)と株さんの短歌が、勇人の短歌ときみとくんの短歌が、それぞれクロスで対になるように詠んだので、ふねのページはそういうページ構成にしています。

 

私が大変集中力の無い人間で1ページの情報量が多いとちょっとのけぞってしまうので、まっっっしろの冊子を作ってみたかった、というのと、2人で1ページ、それぞれ二次元と三次元の距離感とか見開きの左右のページのそれぞれの人の距離感に合わせてレイアウトをしたくて真っ白な冊子になったのでした。

 

 

それにしてもCYYR、本当に本当に楽しくて愛に溢れていて、いちいち嬉しくて楽しくてその場にいるだけで泣きそうだった。10月ぶりに息が出来たような感じだった。

 

  • 七万年前の光が降り注ぐ、まだ息をしている、水底で

大桟橋ホールって、たぶん空間のイメージとしては船底なんだと思うけど、雨のち曇りの天気と窓からの光が水の底にいるみたいだった。星の光って地球に届くのに何年も何万年もかかっていて、もしかしたら今見ている星の光はもう死んでしまった星の光かもしれないってよく言うけど、海の底に降り積もってここで確かに生きていると、そう言っていいんだって言われたような気がした。

 

※追記

最後のページに載せてたユニットごとの短歌はそのまんまなので特に解説とか無いです……