「舞台」で短歌を読んでみたこと
短歌結社「明星」の第八回歌会に参加させていただきました。今回のお題は「舞台」です。
今回私が提出した短歌は、以下のとおりです。
切り取った過去も未来もない夜を硝子の靴で踊って死ぬまで
舞台の上の時間は、その作品の中のぶんだけでその前もその後も無くて、1回の公演が終わったらまた作品の冒頭に時間が巻き戻るのが、オルゴールみたいだなあと思ったので、オルゴールの上でくるくる回る人形のイメージでよみました。語感から硝子の靴にしたのですが、確かに詰めが甘かったなぁ、と思います。
笑ってよ、周回遅れの三方礼 探していたのはまだここに無い星
カーテンコールで三方礼をする時、座長から端役まで全ての出演者が一列に並ぶけれど、同じラインに立っているのに隣の出演者との間には圧倒的な差があって、それを埋めたくて必死に走ってもきっと隣の出演者も必死に走っているから、永遠に周回遅れのようだなと思います。それでも走り続ける姿を見るために、私達は劇場へ行くのだけれど。
プラスチックのナイフで胸を貫いて喉が裂けても叫べよにげるな
図書委員育ちの強火SHOCK担なので、舞台という単語を聞いて、まず頭に浮かぶのはEndless SHOCKです。
「俺たちはひとつ傷つけばひとつ表現が見つかる ひとつ苦しめばまたひとつ表現が作れる ぼろぼろになる
そのぶんだけ、輝けるんだぞ」
という、名台詞からのインスピレーションです。
いらっしゃい!久しぶりだね、調子どう?今日は何処まで一緒に行こう
背もたれの波間に浮かぶ掌を掠めて刺さるスポットライト
「舞台」というお題から、真っ先にぽっ、と出来た短歌がこの二首でした。あまりにもそのまんまなのでボツにしようかと思ったのですが、着想の原点ということで、せっかくなので提出しました。
第六回からしばらく、推敲不足で、もやもやしたまま提出しています……。
長文を書くのも苦手なので、このエントリを書くのに頭を悩ませているうちに、次のお題「中島健人」さんの〆切になってしまいました。二首提出しましたので、またわくわくそわそわしながら講評を待っています。