はんぶんの内側

隙間産業的おたく活動記録 長文用

「担降り」で短歌を読んでみたこと

短歌結社「明星」の第六回歌会に参加させていただきました。今回のお題は「担降り」です。
 

今回私が提出した短歌は以下の四首です。

君だけが世界で一つの恋だった昨日の夜まで嘘じゃなかった
昨日の公演を見て、ああ、この子に降りよう、って揺れていた気持ちが固まった翌朝の、言い訳。

あと少し気付かないままでいたかった いつから「好き」が義務になってた?
10年以上担当だった元担を降りた時にすごく楽になって、勿論今でも元担のことは大好きだけれど、それとは別に殆ど意地で担当でいたんだなぁ、と気付きました。

硝子窓のむこうの君への恋だからさよならを言う術もしらない
こちらから姿は見えるけど、声は届かない君への一方的な恋だから、それを手放すと決めても伝えることも無く、ただその背中を見送るだけというのがアイドルのファンの関係ですよね。

君が笑う、空が砕ける音がした 一目惚れって言ったら笑う?
あなたの笑顔を見て雷にうたれたような衝撃を受けて、あなたのファンになろうと決めました!という単純な告白です。と同時にそれまで当たり前に大好きでいた人を裏切ることになるという意味で空が砕けるというネガティブな言葉遣いをしています。


私は今の担当で二人目ですが、十数年担当をしていた人から初めて担降りしたわりにはあまり抵抗なくするっと降りたことと、根本的にDD(誰でも大好き)なので、担降りに対してそんなに重い怨念があるわけでもなく、今回は空想8割で詠みました。
その所為か、なんだかどれも随分宙ぶらりんになってしまったし、推敲も足りていなかったなぁ、と反省しています。


今回私が好きだなぁ、と思ったのはこちらです。

  • 完璧な笑顔と逆に指先は震えてたから、騙されよう、って
  • 声援を飲み込みやっといまやっとあなたがみえた確かにみえた
  • 君のこと忘れられたら何度でも見つけてみせる優しい光
  • 桃色のジェリービーンズ食べ飽きて次は黄色よ悪びれもせず
  • 過去形にしたくないから殺してよ息をするように愛した君
  • しばらくは上書き保存できそうにないから新規フォルダの準備

次のお題はあらんちゃんとのこと。以前一首だけ詠みましたが、うーん…難しいですね…。